NOTOFUE(ノトフュー)

respiración

八木 恵介 / 梅 達郎 / 北川 悠介

Keisuke Yagi , Tatsuro Ume , Yusuke Kitagawa

Profile

1980年、石川県生まれ。27歳でバルセロナに渡り、ミシュラン星付きレストラン「Saüc」で腕を磨く。帰国後、都内のバルやレストランを経て、2017年に幼稚園時代からの幼馴染でもある八木恵介氏と北川悠介氏とともに「レスピラシオン」を開業。金沢を代表するモダンスパニッシュとして全国に名を馳せている。

「レスピラシオン」が大切にしていることは?

なにをするにも一緒だった少年時代の延長線上にレスピラシオンがあります。あのときと変わらない気持ちで、自分たちが楽しめる環境づくりを大切にしたいというのが3人の共通認識。その上で、ここでしかできないものを表現し、世界中からお客さんが訪れる「価値」を生み出すことを目指しています。

なぜ、NOTOFUEの活動を始めようと思ったのですか?

それぞれに家族ができ、若いスタッフも増えたことで、必然的に「今、自分たちが使っている資源をこれからの世代にバトンタッチしたい」という気持ちが芽生えるようになりました。資源の枯渇が叫ばれる中、それに対して僕らができるアプローチは、食の楽しさを多くの人に伝えること。この活動を通して、食に携わる生産者の数が少しでも増えることを願っています。

これまでに「資源の枯渇」を危惧する経験はありましたか?

後継者不足に悩んでいる生産者が多いという話はよく聞きます。後継者がいなくなると食材(資源)が作られないだけでなく、これまで受け継がれてきた技術が失われ、その土地の文化すら消え去ってしまいます。食材や食文化の面でも、能登は世界にも負けないポテンシャルを秘めた土地。いつかは食の都と呼ばれるパリやバスクのように、食を求めて世界中から人が押し寄せる時代が来ても不思議ではありません。そのためにもこの資源をどうやって残していくか、今のうちに考えておく必要があると思います。

NOTOFUEを通じて、創造したい未来像はありますか?

資源の枯渇は現実的にとても深刻な問題です。だけど、それをネガティブな意識で取り組むのではなく、なにか自分たちの糧になるのではないかという、わくわくした気持ちで取り組みたいですね。個性的な料理人が多くて、話しているだけでも本当に楽しいんですよ。そういった前向きな気持ちを強めるためにも、もっとたくさんのシェフや生産者を巻き込んでいきたいですね。

最後にシェフご自身の意気込みを聞かせてください。

活動に取り組む一方で、僕たち自身が能登の食材を深く知るきっかけになればと期待しています。資源を守って、知識が増えるという料理人にとって最高の舞台。能登とはちょっと離れた、金沢に店を構える僕たちだからこそ見えることもあるはず。3人で楽しみながら、信頼する能登の仲間たちの後方支援をしていきたいですね。